母乳育児が良いというのは、もはやテレビやネットのニュースや特集でも話題になることが増え、そういった認識の人が世の中増えているように感じます。
実は私自身、そんなに始めから母乳育児にこだわっていたわけではありません。
こちらの記事(【母乳の出】は遺伝する?出にくい体質とは?)でも書きましたが、私の母が当時 母乳育児をしたところ、出が良くなく悩んだそうだったので、何の根拠もなしに”私も母乳の出が良くないんだ”となぜか決めつけていました。
それなら粉ミルク育児で!と思っていましたし、絶対母乳で!という気持ちもなく、1人目みいちゃんを妊娠中に母親教室で「ほ乳瓶は何本準備したら良いですか?」と質問したものでした。
それから仲の良かった友人が出産し、母乳育児をしているのを見て、「母乳育児ってかんたんそう!私にもできる!」(母乳育児はかんたんではありません。お母さんがとても大変です。)なんて思ったのが母乳育児をしようと思ったきっかけです。
それから、1人目みいちゃんを出産して、3日目の晩からおっぱいがパンパンに張り出し、4日目の朝にはたくさん母乳が湧き出たので、”これはいける!”と思い、それからたくさん悩みながらも初めての母乳育児をやっていくことになるのです。
そこで母乳育児について自分なりに勉強したら母乳をあげることは赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても、とても良いことだということが分かりました。
今日は母乳育児のどういうところが良いとされているのか ふれていきたいと思います。
目次
赤ちゃんにとって母乳が良いとされる理由
栄養面において優れている
母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養源です。
毎日、栄養たっぷりの母乳を赤ちゃんに与えるためには、母親が好き嫌いなくバランスのとれた食生活を送ることが大切です。
母乳には赤ちゃんの好き嫌い関係なく、成長するのにベストな栄養素が含まれています。
なので、母乳を毎日飲んでいる赤ちゃんは、それだけで栄養バランスが取れた食事をとれていることになります。
母親が食事をとる→消化される→母親の血液から水分と必要な栄養素を取り込み、合成させて母乳を作る→赤ちゃんが母乳を飲む
母親の体の中で、この流れが自然とできているなんて、人間の体って不思議ですよね!
母親の体ひとつで、赤ちゃんが成長できる。
当たり前のことに感謝するとは、まさにこのことだなと感じます。
その母乳の中に入っている栄養素とは次のものです。
カルシウム
母乳100ml中、カルシウムがおよそ27mg入っていると言われています。
新生児期の終わり頃で、一回に飲める量が80~120ml。それを2時間おきに授乳すると1日大体12回の授乳になります。
単純計算で‥
27mg×12回=324mg
1日あたり、およそ324mgのカルシウムを摂取していることになります。
月齢とともに胃も大きくなるので、もう少し月齢の進んだ赤ちゃんはそれ以上のカルシウムを摂取しているかと思われます。
成人の1日のカルシウム必要摂取量が650mgなので、それのちょうど半分くらいの量を母乳で摂取しているんですね。
赤ちゃんはまだ骨が柔らかく、もろい状態なのでカルシウムで骨を強化します。
たんぱく質
炭水化物と並んで、母乳の主成分となっているたんぱく質ですが、体の筋肉・臓器・皮膚・毛髪・血液など人体の大部分はたんぱく質で構成されています。成長に欠かせない栄養素の一つです。
母乳に含まれる約40%がカゼインで、約60%が乳清たんぱく質です。
・カゼインとは‥
アミノ酸以外にリンを含む複合たんぱく質。カゼインは多量のカルシウムイオンを結合させるため、乳汁中へのカルシウムの分泌に重要。
・乳清たんぱく質とは‥
αラクトアルブミン、ラクトフェリン、血清アルブミン、分泌型lgA,lgM,lgG からなります。
ラクトフェリンは鉄分を含む糖たんぱく質で、大腸菌やカンジダ菌の増加を抑制します。
分泌型lgAとは初乳中に含有される免疫グロブリンであり、新生児の消化管を細菌・ウイルス感染から守る働きを有しています。
またアレルギー体質になりにくいとされています。
赤ちゃんの成長にとって必要な量と質が含まれており、消化吸収も良いとされているのです。
ビタミン
母乳100ml中のビタミンの含有量ですが‥
ビタミンA 46μg
ビタミンB1 0.01mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 5mg
ビタミンD 0.3μg
ビタミンE 0.4mg
ビタミンK 1μg
母乳中のビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあります。
脂溶性ビタミンは母体に蓄積されているので、足りなくなることはほとんどありません。
また、水溶性ビタミンはビタミンCやビタミンB1が挙げられます。
母乳中のビタミンは極端な食事制限や、食生活の乱れがない限りは比較的、安定している栄養素です。
ただ、産前産後は母親の肌荒れが起きやすいので、積極的に摂取しておきたいものです。
新生児期に病院で投与されているビタミンKシロップですが、ビタミンKは体内では生成されないので食事でとることが必須となってきます。
授乳中は母親が、離乳食が始まったら赤ちゃんの食事メニューに取り入れるようにしましょう。
ミネラル
母乳に含まれるミネラルには、カルシウムをはじめ、リン、マグネシウム、鉄があります。
母乳100ml中のミネラルの含有量は‥
リン 14mg
マグネシウム 3mg
鉄 0.03mg
粉ミルクより母乳の方がミネラルが吸収されやすいとも言われています。
鉄分はお母さんが貧血気味でも赤ちゃんには、きちんと吸収されるので、貧血気味でもそれは心配いりません。
でも鉄分はお母さんにも赤ちゃんにも大切な栄養素です。
レバーやあさりなどの貝類、小松菜など意識的に料理作りに取り入れたいです。
脂肪
母乳100ml中の脂質の含有量は3.5gです。
脂肪と言うと、あまり摂らない方が良い成分のように聞こえますが、母乳中の脂肪は赤ちゃんの発育に必要不可欠な成分です。
母乳中の脂肪量は熱量の約45~55%もあります。
脂肪酸こそが赤ちゃんのエネルギー源の重要な部分です。
それだけではなく、脂肪酸は新生児の網膜と神経組織の発達、細胞膜やホルモン合成にも重要です。
脂肪中のコレステロールは初乳に多く含まれていますが、生後1か月までに減少します。
なので、母乳によるコレステロールの摂り過ぎは心配いりません。
炭水化物
母乳100ml中の炭水化物の含有量は7.2gです。
私たちの日頃の食生活で炭水化物といえば、お米やパン、麺類が一般的です。
母乳に含まれる炭水化物の多くは乳糖と呼ばれる物です。
乳糖は母乳に含まれる成分の中では、水分の次に多い成分です。
乳糖はカルシウムの吸収を助ける役割があり、他にもオリゴ糖が含まれ、母乳の成分としては一定の安定した成分です。
乳糖は「糖」がつきますが、糖分とは別の栄養素です。
免疫機能を与えられる
よく母乳神話で耳にする、”免疫”についてです。
母乳には免疫を赤ちゃんに受け渡すという大切な役割があります。
この免疫は母乳ならではで、粉ミルクでは到底難しい面でもあります。
先ほどの”栄養面ですぐれている”の”たんぱく質”でも出てきましたが、初乳には免疫グロブリンA(IgA)と呼ばれる免疫物質が多量に含まれています。
初乳中のIgAha、赤ちゃんの口から入り、胃や腸の粘膜に広がり、細菌やウイルス、アレルギーの原因となるたんぱく質の侵入を防いでくれます。
また、母乳の中には、ラクトフェリンというたんぱく質が存在しますが、これは赤ちゃんの腸の中で鉄分と結びつき、腸管から鉄分の吸収を良くします。
その結果、腸の中の鉄分が少なくなり、大腸菌の繁殖が抑えられ、ビフィズス菌などの「善玉菌」が優勢になります。
よく「母乳で育てた赤ちゃんは丈夫だ。」と言われますが、とくに初乳の働きが重要と考えられています。
後にミルク育児に切り替える場合でも、初乳を飲んでいる場合とそうでない場合とでは違ってくることになるので、初乳だけでも意識して飲ませてあげたいものです。
お母さんとスキンシップがとれる
赤ちゃんは、さみしい、悲しい、不安を感じる、甘えたい‥たくさんの感情があります。
授乳時以外でもお母さんのそばにいたい。と常に母親のぬくもりを求めているのだと思います。
そんなときお母さんが温かいおっぱいで包んでくれたら、赤ちゃんはとても癒され安心すると思います。
もしかすると、母乳の栄養が本当に必要な期間はわずかかもしれませんが、お母さんのぬくもりはそれだけの物ではありませんよね。
赤ちゃんが情緒豊かに育つために授乳とはとても大切なひとときなのかもしれません。
お母さんにとってもメリットいっぱい母乳育児
お母さんの子宮回復に効果的
産後の母体には、それまで赤ちゃんがいた子宮を元の大きさに戻そうとする働きがあるのですが、赤ちゃんに母乳を飲んでもらうことで、その働きを後押ししてもえます。
授乳時に赤ちゃんが乳首を吸うことでオキシトシンというホルモンが分泌されて子宮収縮を促します。
私の場合、2人目けいくんのときに、産後の授乳による子宮収縮痛がひどく、産後間もなくから始まった授乳が苦痛でしようがありませんでした。
あれ本当に痛いんですよね‥。乳首を吸われる度に激痛でした。
私の場合は、お医者様に相談して、入院中に服用する子宮収縮剤をなしにしてもらったんですけどね。
ですが、やはり「この痛みは今子宮を元通りにしてくれているんだー!」と自分に喝を入れて授乳していましたね。
入院中に助産師さんから聞いた話によると、出産は人数を重ねるごとに産後の子宮の戻りが悪くなるそうですね。
子宮をゴムに例えると、
1人目はゴムがまだ新しいから、妊娠によって伸びたゴムは授乳によってわりと早くに元に戻る。
2人目以降は年齢とともに劣化したゴムが(なんだか言葉が悪いですね‥)戻るのに時間がかかってしまう。
という具合なので出産人数が増えるほど、後陣痛と呼ばれる痛みがひどくなるのですね。
それでもやはり体の元に戻る仕組みに助けてもらった方が良いですよね。
ですが、どうしても授乳による後陣痛がひどい場合はがまんせずに相談しましょう。
お母さんの産後のダイエットにもなる
授乳中に3人ともに共通してうれしかったことが、どれだけ食べても太らないということです。
太らないどころか少しずつですが、順調に痩せて夢のようなひとときでした!(笑)
母乳育児を続けていえると、1日800~1000カロリーを消費すると言われています。
これは1時間以上ジョキングしないと消費できないカロリー量です。
授乳するというのは本当に母親の体に負荷がかかっている状態なんですね。
だからといって食欲のおもむくままに食べると、栄養バランスが崩れるので注意しましょう。
私は3人目きいちゃんの時に産後数か月後に冬をむかえ、急にチョコレート食べたい病にかかり、毎日チョコレートを一箱食べていた時期がありました。
その時は頻回授乳していましたが、体重が2キロ増えてしまいました。
簡単にやせれるから♪と油断していると大変なことになるので気を付けて下さい(汗)
ミルク代がおさえられる
ざっくりの計算になりますが、完ミ(完全ミルク育児)の場合、
生後1か月の赤ちゃんは1か月に850g缶を3缶ほど飲むのだそう。
1缶3000円×3缶=9000円
生後2か月以降、余裕をもって購入すると1か月に4缶になるそうです。
1缶3000円×4缶=12000円
いっ‥1万2千円!?これが毎月なのでとても大変です。
みなさんが毎月1万円黒字だったら何しますか?
私は1人目みいちゃんに習い事させてあげたいです。
まとめ
母乳は栄養面でもすぐれていますし、お母さんの体にもいろんな面で良いことが分かりました。
赤ちゃんとの外出に持っていく荷物も少なくて済みます。
母親にしか味わえない感情も感じさせてもらえます。
ただ母乳育児はお母さんがとても大変です。
母乳のメリットを頭に入れつつも、無理のない範囲で母乳育児ができると良いですね。
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